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4/7 自分自身を生きていこう

 お伝えしたかったもう一つは、世の中との向き合い方です。
 ビジネスの世界のコミュニケーションには、マーケティング的手法と、メッセージ的手法があります。世の中の動きをつかみ、人々の欲求や好みを捉え、それに対応した製品やサービスを提供するのがマーケティング的手法です。仕事の世界では、とりわけこの手法の大切さが強調されます。また、マーケティングを怠った商品は、間違いなく売れなくなります。それは仕事の能力や態度にも言えることで、周囲がどのような能力を望み、どのような態度を期待しているかを察知するような、マーケティング的な心得が大事です。

 しかし一方、人間は他人の期待を実現するために生きるのではありません。そのような生き方に偏りますと、外見や世間体は良いのですが、だんだんと内側にある精神がネジレてくることがあります。新人の頃は溌剌と漲るもののあった人が、キャリアを重ねることで、卑屈になったり、人におもねったり、その裏返しで威張り散らしたりするようになれば、それは精神がネジレてきた徴候です。

 すぐれた会社とおつき合いしますと、マーケティングに長じているばかりではなく、何か強い文化を持っていることがわかります。それは、社是や社訓に書かれていることを指しているのではありません。製品開発の考え方や、販売の姿勢や、会社運営の方法や、社員の扱い方や、社員の行動から、メッセージとして伝わってくるのです。その背後には、自分たちの文化を損なわないための意志とルールが感じられます。

 他人の期待を、ではなく、自分自身を生きようとする人にとっても、自分を損なわないための意志とルールが必要です。そのような「自分のルール」作りに踏み出すために、この本がお役に立つことができれば、著者としてこれ以上の深い満足はありません。

『新訂 内定したら読む本』あとがきから

編集:MariY