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37 奢られる

品格順位

 奢られる立場を客と言う。上司、先輩、取引先に客として誘われたら、これを断ってはならない。しかし頻繁に誘われるようなら三遍に二遍は間引いて一遍だけ、などとリズムよく受けるようにする。ある時は頻繁に受け、その後は間遠になるのは、疎遠願望や迷惑をあからさまに語っていて下品である。またご馳走になる場では、好き勝手な希望を言い募ってはならない。奢る立場の亭主の心づもりに、ただただ添うのが上品上生の道である。さらに、長っ尻は禁物だが、亭主が長っ尻なら致し方なし、亭主の流儀に添うより他はない。つまりはこう言うことだ。己を正しく律することが上品の道ではあるが、一旦客となれば亭主の下品下生を律しようとしてはならず、これに添うことが肝要なのである。他人を裁いても、己の値打ちはちっとも上がらないからね。

感謝の使い回し

 奢られたら奢り返す、と言うのでは品格は保てない。奢られたら、ただ深く感謝するだけで良いのである。感謝に多言を弄することも品格を落とす。巧言令色鮮矣仁。その代わり、奢るべき時にブカ、後輩に奢れば良いのである。感謝すべき相手には少なく感謝し、その分を後進へ充てるのが上々品と心得たい。