nozomnの快適・カチョー生活辞典NozomNの 快適・カチョー生活辞典

59 遊び

接合部に

 最初、それは動く物や、機械において重要視されていた。カラクリ人形がそうであるように、自動車のブレーキやクラッチがそうであるように、動く物や機械は、結合部分にゆとりとしての遊びがないと、不具合をきたす。

際(きわ)に

 次ぎに、それは規則や規範において重視された。法律がそうであるように、マナーがそうであるように、ゴルフや野球のルールがそうであるように、決めごとの際(きわ)には、遊びを持たせないと、その世界の進退が窮まるのである。さらにそれは、人間関係において重視された。人と人との間には、決めごと、約束、義務、義理その他諸々の契約や心得が必要だが、その契約や心得の際(きわ)に、遊びを滑り込ませておかないと、付き合いの円滑を得られないのである。

すべての結び目に

 機械のゆとりを、日本語では遊びと言うが、英語でも playというのが面白い。遊びの必要は、古今東西を問わないのである。とくに近年のカチョーが心したいのは、マネジメントの遊びである。ブカと人、ブカとシゴト、ブカと事態、ブカと物など、およそ何かと何かが結びつくところには、遊びを噛ませることが上々策。遊び好きのブカなどは、初めから遊びが装着されているから、その台にちょいとシゴトを載せてやればいいのだ。これが権謀術数に奔走して、敵味方を取っ替え引っ替えしながら破綻しなかった後白河法皇の、マネジメントの奥伝なのである。